サム・アルトマン

Y Combinator 社長兼パートナー

電子と原子

最近、現在急成長をしている会社のリストは何かと、友人に尋ねられた。リストを作成してみたところ、全会社に共通していることは一つしかないと気付いた。 その後、過去3回のYCバッチを見直して、私たちのランク上位の会社に注目した(何回も間違えることはあるが、かなり当たるものである)。これらの会社にも、同じ特徴があった。

その共通の特徴とは、オンラインの世界と現実世界とのつながりである。これには、主に2つのモデルがある―ウェブサイト/アプリでボタンを押すと、現実世界で何かが起こるというUberモデルと、サービスを利用することでできないこともないが、極度に効率の悪い何かを現実世界で行ってくれるAirbnbモデルだ。両者ともに鍵となるのは、現実の生活におけるユーザーの行動をより簡単にしてくれることだ―もちろんタクシー会社に電話をすることもできたわけだが、時間がかかったし、タクシーが必ず到着するわけではなかったし、タクシーが近くにいてもわからなかったし、現金を持っていなくてはならなかったし、運転手から意地悪な視線を感じたりなどしたものだ。

Facebookですら、これの軽量版だ―Facebookを使えば、現実の世界をオンラインに持ち込んで、より頻繁に、より簡単に、そしてどこからでも現実世界とつながることができる。Facebookは明らかに、完全に仮想空間だったSecondLifeや、それほど実際のアイデンティティや実際の友だちとは関連がなかったMySpaceといったサービスよりも、はるかに成功している。Amazonは、この二つの世界をつなげる初めての例であったかもしれない。

当然の結果として、現実またはオンラインの世界のいずれかだけに存在する新たな会社は、この二つをつなげる会社ほど成功していないように見える。これは物理的な方よりも、オンラインの方でより頻繁に起こっている。その原因は一般的に、床屋のようなものをスタートアップとしては考えないため、また、多くの人たちは、強力なインターネット要素のない純粋なハードウェア会社が成功するとは期待していないためだ。そして、このつながりは、しばしば程度の問題である―大半ではなくとも、多くのオンライン企業は何らかの形で現実世界に触れている。だが、これを最大限に行っている会社は、より成功しているように見える。

多くの面で、これはマーク・アンドリーセンの「ソフトウェアが世界を食べている」という発言の一種だ。世界を食べるには、世界で活動する必要がある。これが今頻繁に起こっている大きな2つの理由は、1) 誰もがスマートフォンを持っていることと、2) 約2年前に転換したと思われるが、現実の生活をインターネットへ公開することに対して個人的な安心感が十分あるということだと思う。

おそらく、これが当てはまらない分野はたくさんあるだろう―たとえば、エンタープライズソフトウェアや開発ツールだ―それに、Googleのような明確な反例がある。だが、一般的なルールとしては、新たなビジネスについて考える際に、この件を検討することには価値があると思われる。

原文 : https://blog.samaltman.com/electrons-and-atoms
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