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BufferのCEOより企業文化、競合、そして透明性について

メッリサ・ジョイ・コングの投稿

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 ジョエル・ガスコインは、個人・マーケター・仲介業者向けのソーシャルメディア管理ツールBufferのCEOである。Bufferの素晴らしいプロダクトはさておき、徹底的に透明性の高い会社のひとつであると同様に、最上級のマーケティングブログを開設していることでも有名だ。

Bufferのコード収益社員の給料の情報は全て一般に公開されている。嘘ではない。

 この最も賞賛されるテック企業のひとつであるBuffer(Bufferは毎月1,500から2,000の就職申し込みがある)の共同創業者は誰なのか ?先日、Product Hunt にライブチャットで参加したジョエルがその人物です。文化、透明性、リーダーシップ、競争のやり方について彼が語ったことを、チェックしてみましょう。チャット全体を閲覧したい場合はこちらから。

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 毎年、あなた方は高レベルのサービスを提供し、透明性のある戦略が限界に達したと思われながらも、なんとか一歩ずつ前進してきました。そのコツを教えていただけませんか?どのように挑戦し続けているのですか?- イネス・シルバ

 

 そのコツは、自分たちが全てを変えることができると意識し続けることです。成長するにつれて、そのように考え続けることは難しくなっていきます。しかし、いかなる時もそれは真実です。今年のはじめ、私たちはセルフマネージメントを試行していました。しかしそれは思うようにはいきませんでした。完全な透明性があったため、その後「アイデアからの撤退する」と告げることは困難なものでした。でも、それが成長し続けるコツだと思います。一貫性について問われているので、少し皮肉っぽくはなりますが、私は、ジェブ・ベゾスのこの言葉を思い出します。「いつも正しい人とは、いつも意見を変えていくことのできる人だ。ひとつの考えを貫くということは、それほどいいことでもない。」

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 どのようにして、Bufferの初期段階でそのような企業文化を取り入れようと思いついたのですか?Bufferのスタッフたちにそれを理解してもらうために、どのような取り組みがなされているのですか?- アンディ

 Bufferをはじめたばかりの頃は、企業文化や価値について何も知りませんでした。時間をかけてそれらを理解していきました。企業文化や価値以外にも同じことが言えます。良いタイミングというものは全てにあるのです。今までいろいろな本を読んできましたが、あまり頭に入ってこず、心にも響かない本はたくさんありました。しかし後々同じ本を読んでみると、その多くは私の人生を変えてくれるようなものにでした。

 

 Bufferのメンバーが9人10人ほどになると、私はチーム・ダイナミクスの影響をじかに体験するようになりました。当時はようやく企業文化について学び始めたばかりで、できる限りそれに関する本を読み、プレゼンを観ようとしていました。その時点で、企業文化のいくつかの点(透明性や自己改善など)がはっきりしていきました。でも、うまく言葉で言い表せなかったんです。しかしそれは、Zappos のトニー・シェイのインタビューを観てから、うまく考えられるようになりました。どのインタビュアーが尋ねたのかはあまり思い出せないんですが、シェイはこんなことを尋ねられていました。「もし過去に戻ってもう一度最初からZapposをスタートさせるとしたら、どの点を異なるやり方でやるのですか?」と。シェイは、Zapposのメンバーが100人を超えるまで、企業文化を言語化しなかったことを打ち明け、その上で、もし最初からZapposを始めるのであれば、初日からそれをやると答えていました。Zapposはそんな根強い企業文化を有していて、私たちの憧れの会社でした。なので私たちも、できるだけ早く価値を言語化しなければいけませんでした。それを終えた結果、その場しのぎだったBufferの企業文化は、徐々に具体的なものになっていったのです。

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 もし1時間だけユーザーが抱える問題やニーズを解決する時間があったら、どう使いますか?- ジュニアス

 問題やニーズを完全に理解することに集中します。私たち起業家の多くが、真っ先に解決策を見つけようとします。確かに解決策にたどり着くよりも、外に出てユーザーの抱える問題を尋ねたり、その問題点に集中し続ける方が難しいです。解決策の発見を急ぐほど、彼らは仮説を打ち立てようとします。だからこそ私たちは、解決策ばかりを求めず、顧客の新規開拓や、できるだけ多くの問題点の発見に集中するのです。理想を言えば、解決策がすぐ見つかるような問題に取り組みたいでしょう。しかし、それはとても難しいことです。私も得意ではありません。これがBufferの内部で、問題やニーズの理解を最重要し、顧客開発部門に何人ものフルタイムスタッフを配属している理由です。

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競合Hootsuiteの脅威をどのように捉え、どのように来年に市場を支配する計画なのかを聞きたいです。- ハリー・ステビングス

 ライアン(ライアン・ホームズ:ジョエルの友人、Hootsuiteの創業者兼CEO)とは個人的に仲が良くて、彼のやっていることは全部、想像もできないことばかりで奮い立たせてくれるんだ。彼らのコツは、とにかくユーザーや顧客に集中し続けることだと思う。僕たちも彼らのように、ユーザーや顧客が必要としているものを理解する努力を続けていきたいですね。

 競争の面白いところは、特にスタートアップにとっては、会社を潰すのは時として競争以外の要因でもなりうるということですね。Zohoの一昔前のこの記事が好きなんです: 「会社は競争に破れて潰れるのではなく、自ら潰れにいくのだ。」本当に僕もそう思います。特に初期の会社はこうなりがちで、多くのスタートアップ創業者が僕のところを訪れ、他のスタートアップが同じようなものを作ろうとしていることを教えてくれます。でもそれは全く問題ではなく、実際にその両方のスタートアップが抱える同じ問題は、どちらのスタートアップも知名度が低いという点なんです!競争は市場を照らしてくれる。これは、あなたが市場でたった一人であることよりも良いことです。

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 好ましい文化と必要な批判的フィードバックの両立のために取り組んだ最も大きなことは?- アンドリュー・ソウ

 まさに誠実でありつつ適切なフィードバックを送りつづけ、その価値を両立することそのものが、最も大きな取り組みだったと思います。私にとってこれは、「愚痴・非難」と「重要なフィードバック」の違いの話になると思います。エックハルト・トールの 「A New Earth」 にあるこの言葉が、この二つの間の境界線を明確化させてくれました。

 批判とは誰かにミスや欠点を伝えることとはわけが違い、批判を控えることは必ずしも、質の低さや振る舞いを我慢するということではありません。もしあなたの注文したスープが実際に冷えていたならば、温め直して欲しいとウェイターに伝えることはエゴではないし、中立的なことです。「こんな冷たいスープを俺に出しやがって!」これを非難といいます。ただ自分が冷たいスープを出されたことに苛立ちたいだけであり、その機会を最大限に活用しようとしていることが、「俺に」の部分から見て取れます。軽々しく「俺に」と口にすることは誰かを誤った方向に導いてしまいます。我々が話している非難とは、エゴイズム的であり、変化のことではありません。

成功をおさめたスタートアップチームを率いた経験のなかで、驚いたことはなんですか?- アマンダ・ティシェ

 ひとつは自分たちの成長度です。これからも成長し続ける必要があります。今メンバーは70人で、もし数年前の自分に、メンバーがこんなにたくさん集まると言っても、相手にしていなかったでしょうね。メンバーのひとりひとりが優秀で、必要不可欠の存在です。でもこれだけじゃなくて、実は他に20ほどの仕事があって、一緒に会社を大きくしてくれる仲間を探しているところなんです。もうひとつ驚いたことは、一定の基準を超えたあたりから、いかに組織構造が重要で、いかにその組織構造を正確なものにすることが大変なのか、ということに驚きましたね。これまでいろんなことに挑戦してきました。これからもみんなで精一杯挑戦していきますよ。

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 私の情報が間違っていなければ、Bufferをスタートさせる以前あなたは顧客に恵まれたフリーランスでしたね。初期段階のBufferで働くなかで、どのようにしてフリーランスとして仕事をする時間を確保していたのですか?- ウィルバート・リュー

 はい、フリーランスとして働いていました。Bufferを始めた時、何人かのクライアントを抱えながらフルタイムで仕事をしていましたし、その傍でBufferを作っていたんです。その頃の私のポイントをいくつか紹介します。

  • ・もともとBufferでは夕方に働いていました。しかし働くにつれて、それが非効率であることがわかりました。1日の終わりにはもう疲れ切っていました。そこで私は、早寝早起きに徹し、フリーランスの仕事をする前に数時間、Bufferで働くようにしました。これで状況が改善され、Bufferが順調にスタートできたポイントのひとつだと思います。
  • ・フリーランスの頃、同じようにフリーランスとして働いていたり、自分のエージェントを持っている友人が多くいました。彼らから大きなヒントを得ました。スタートアップする時、サービスビジネスの場合、非常に辛いことは進行状況を迅速に確認できない点です。スタートアップには、研究・挑戦・失敗の段階があります。かなりきつい時期だったけど、スタートアップの仕事に挑戦したいと決心したことがポイントでした。私は、クライアントを失望させることなく、仕事に落としやすくするような、フリーランスの仕事を探し回っていました。ここでのポイントは、大量の仕事を抱えたエージェントのために一役買ったことです。

  • ・Bufferの最初の数ヶ月でセットアップを完了できたことはとてもラッキーでした。本格的に仕事が始まる頃には、徐々にフリーランスの仕事を減らしていき、Bufferに時間をかけることができました。

 

目標に向かう過程で得た想定外の利益はありますか?- キングソング・チェン

 ひとつは、私たちが周囲から最良のアドバイスをもらうため、心を開いて本当のことを話しあったことです。みんなが給与基準やプロダクトの方針、チームの分散などについておよそ2000文字の批判文を書きました。これはとても有意義で、高い標準を持って仕事に取り組めました。

 新年を迎え、Bufferの透明性、企業文化、プロダクトをより一層活性化させるうえでのあなたの着目点はどこですか?- アンディ・ヨー

 私たちは未だにOKRとアカウンタビリティについて計算中です。非常に楽しみです。透明性に関していえば、今後ますます伸びていくであろうふたつの分野が思い浮かびます。「プロダクトのロードマップ」と「採用プロセス」です。このふたつは思うように透明化できていない分野でありとても重要だと考えています。企業文化に関しては、半年も経たないうちに約2倍の規模になり、これまで集中してきたポイントのいくつかは、継続が難しくなるでしょう。いい例をあげると、自己開発ですね。これまでずっと集中してきたのですが、徐々に重要度は低くなっていきました。プロダクトに関しては、Respond という大きなサービスがリリースされる予定です。(https://buffer.com/respond/)それと並んで、Buffer における通常規模または巨大規模の事業セグメントの解決策と同様に、マイクロビジネスやのBuffer特有のプロダクト(無料ですごいプラン)も革新していきます。

平日は何をやっているのですか? - ジェフリー・ウェグ

最近は、チーム内でも普段喋らない人たちとミーティングをすることが多いです。私は主に、より高いレベルで、プロダクト、開発、カスタマーサービス、採用にフォーカスしてます。私の予定はチーム全体に公開されていて、予定がびっしり書かれています。また、20分ほどのセッションをやっていて、特定の問題に対するアドバイスなどをしています。他にも、1日1回、チームの一部のメンバーとの1対1の面談を行っています。

仕事以外には、週に何回か運動(ジムでの筋肉トレーニングやランニング、野外でのダイエット)もしています。

当時は真剣に考えていたが、いま振り返ってみると根本的に間違っていたものはなんですか?- エリック・トーレンバーグ

私たちがセルフマネージメントに集中していた9ヶ月ほど前、私は、リーダーシップ、マネージメント、育成は組織に必要ないと本気で信じていました。自分がどれほど愚かなのかを知りました。今でもBuffer特有の企業構造を作り、それを伝統的なものにしようと努力しています。また、それぞれの経験値や会社での地位に基づいて、社員導く必要があり、それを怠ると多くの損失が発生するのだと考えるようになりました。

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原文 : https://stories.producthunt.com/joel-gascoigne-the-ceo-of-buffer-culture-competition-transparency/
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