レオ・ポロベッツ

Susa Ventures パートナー

スタートアップがしがちなミスとその回避方法

“The right thing at the wrong time is the wrong thing.”

- Josh Harris

"正しいことでもタイミングを間違えると間違ったものとなる。"

初期段階のスタートアップにとって、利益を出していない限り常に時間の制限と戦っているようなものだ。通常シードラウンドは1〜2年のランウェイで構成されていて、その期間は常に短くなっている。ウェブサイトに資金調達に関するアドバイスは多くあるが、そのタイミングに関してのアドバイスはない。悲しいことではあるが、タイミングを間違えることは会社を潰すことに繋がる。

今にして思えば、いくつかのタイミングのミスは明らかであった。たとえば15ヶ月のランウェイで18ヶ月かかるの仕事の計画を立てたり、事業が麻痺しそうな時に真剣に何かに取り組んでいたり。他のミスはもっと分かりにくい。例えば資金調達サイクルにおいてのタイミングミスだ。(資金調達で投資家と連絡を取り始めることはあなたの会社のカギとなるメトリクスを落とすことでもあるため、ピーク期の2、3ヶ月後に資金調達を行うことは難しいだろう)

この記事では一般的なタイミングに関する問題、そしてそれを起こさないための体系について話したいと思う。

カギとなる質問

重要な決断を下すにあたって、創設者は以下の3つの質問を常に頭に入れておくようにしよう。

1.この決断によって、費用と利益の増減にどのような影響が出るだろうか?

2.この決断によって、費用と利益の変化のタイミングにどのような影響が出るだろうか?

3.この決断にをすることで、私の資金調達のタイムラインと費用、利益の相互作用にどのような効果があるだろうか?

通常1は皆意識していることだろうが、2と3に関しては見落としがちである。

理想は将来、費用は抑えて高い利益を得られていること、そして現段階で利益を出していることである。最悪なのは費用が高く先行し、利益を出すまでに何年もかかる場合だ。

そしてもう1つ言うと、理想は資金調達の前に利益を出していて、費用が繰り越されるか徐々に払い戻しできていること、逆に最悪な例は、資金調達の前に費用がかさみ、利益が出る時期がさらに遅くなる、あるいは少しずつしか収益できていない状態である。

一般的なタイミングの問題

採用と解雇

  • 問題点:資金調達の直前に採用活動に力を入れること。これにより、会社の費用は上がるが、少なくとも2、3ヶ月は収益には影響が出ないだろう。

  • 問題点:採用及び契約に十分な時間をかけていないこと。"来月営業担当を3人増やそう、あるいはエンジニアを3人増やそう"など軽い気持ちで計画してはいけない。採用には調査と面接で数ヶ月もかかることがしばしばあり、実際に100%会社に貢献できるようになるまでにさらに数ヶ月の研修と本契約の手続きがある。仮にあなたの会社で今月5人の営業マンを雇い、それにより来月大きな利益を得ようとしているならビジネスモデルを書き換えたほうが良い。

  • 問題点:2流の営業担当を資金調達の少し前にクビにすること。これは危険な行為である。確かに費用を削減することはできるかもしれないが、同時に収益成長率も大きく下がる可能性がある。長期で見た時にAを見つけるためにBを手放す行為がベストな場合もよくある。しかし短期的に見ると決して賢明な選択とは言えない。

  • 仮にあなたの会社のMRR(Monthly Recurring Revenue、毎月入ってくるであろう収益)が50,000ドルだとして、そこにさらに毎月10,000ドルのMRRを出してくれる営業担当がいるとしよう。あなたは20,000ドルのMRRを増やしてくれる営業担当が欲しいと思うかもしれない。しかし、もしその10,000ドルの利益を出す営業担当をクビにすると収益成長率は月10,000ドルから0ドルになってしまう。これは資金調達に影響してくる。特に新しい営業担当を雇い、研修を行うことを考えると資金調達に悪影響であることは明らかだ。

十分な時間を確保すること

  • 問題点:資金調達のロードマップで時間を割り振らないこと。シリーズAの資金調達に3〜5ヶ月要することがよくある。たまに短期間で調達を終えることもあるがそれを当てにしないほうがいいだろう。シリーズAに行くための最終目的が明確であれば、それを達成するためにシード期のランウェイには十分な期間を設けるべきだ。そして資金調達のために3〜5ヶ月残しておくと良いだろう。もし12ヶ月後にシリーズAに移ろうと考えていて、12ヶ月のランウェイのための資金調達をしているのなら、準備はオーケーだ。

  • 問題点:営業サイクルの予想期間を甘く見ていること。インフラ商品をFortuneの100の会社に売るとなると1〜2年はかかるだろう。もしそういった顧客をターゲットにしているなら商品開発と完全な営業サイクル、そして次のラウンドに向けての資金調達を楽にするために十分なランウェイを設けるべきだ。それは通常、シード期のランウェイとして推奨されている18ヶ月よりも長く、24〜30ヶ月かかるだろう。

  • 問題点:規制され得るタイムラインを見落とすこと。もしある種の不動産や、金融ライセンスが必要ならそれを十分に考慮して計画を立てよう。仮にあなたの商品が6ヶ月後に完成するが、それに必要なライセンスを取得するために10ヶ月かかるとすれば、4ヶ月の間、収益ゼロの状態で従業員に給料を払わなければならない。

  • 問題点:季節による影響を見落とすこと。Eコマースの会社は11月、12月に売り上げが急上昇する。また、学校や大学に関連している会社は売上サイクルはアカデミックカレンダーに依存してしまうし、ウィンタースポーツに特化した会社は夏の間は悲惨なものだろう。資金調達に力を入れるのはピーク期、もしくはピーク直後がいいだろう。

商品開発する際にも季節変動性を考慮した方が良い。あなたの会社のタイムラインの中でいつ需要が急上昇するだろうか?顧客が8月にソフトウェアを購入し、MVPになるまでに6ヶ月かかるのであれば3月に目立った動きをしてはいけない。さもないと次の営業サイクルまで生き残るために莫大な資金がかかるだろう。

コストと利益のタイミング

  • 問題点:販売が行われた時に歩合給を払うこと。代わりにあなたの会社が利益を出した時に歩合給を払うようにすべきである。仮に営業担当が月に1000ドルの契約を2年間継続して結んでいるとして、契約の10%を歩合として受け取ることができるなら、彼らは初日に手数料の2400ドル全額を受け取るのではなく、毎月100ドルを2年間受け取るべきである。この歩合給システムは契約を結ぶだけでは歩合給がもらえないため、営業担当は顧客に前払いを勧めるようになるだろう。

  • 問題点:顧客に前払いを勧めていないこと。顧客に前払いをしてもらうことで会社の現金は増え、ランウェイを延ばすことが可能となる。前払いの影響がどれほどなものかを理解するためにこの記事を読んでもらいたい。

    (成長中のSaaSのスタートアップににとって驚くほど効果的な仕組み        Tomasz Tunguz 著書https://www.google.com/url?q=http%3A%2F%2Ftomtunguz.com%2Fcash-collections%2F)

  • 問題点:必要となる前に人材を雇うこと。これがスタートアップで最も多く見られる間違いである。人にあまりにも多くの資金を費やしているが、もっと他の使い道があるはずだ。もし2ヶ月目に営業担当を雇って、7ヶ月目まで何も売る商品がなかった場合、仕事をしていない者に給料を払うことで多額の損失となる。

枠組みを計画する

上記のタイミングによるミスの多くを避ける方法は非常に単純なものである。主要イベントとマイルストーンを含んだロードマップを作った後は以下のことを行おう。

1. 新しいエンジニアの採用、主要となるマーケティングのイニシアチブなどのロードマップ上のそれぞれのイベントにおいて実行するのにかかる時間、費用に影響が出てき始める時期、利益をもたらし始める時期を見積もる。

2.あなたのランウェイの最後の方のイベントに関しては費用と利益が資金調達計画にどのような影響を及ぼすかについてはっきりと考えよう。

3.顧客営業サイクル、季節流動性、制限のかかる必要事項などの外部要因に乱されないための定期的な点検

4.もしゴールに達成するために必要な資金が足りないと気がついたときには以下の選択肢がある。a)さらに多くの資金を調達 b)ゴールの変更 c)戦略の変更   もしタイミングを間違うと失敗する確率は格段に上がってしまう。

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