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元Google Ventures

誰もがもはやデザイナーであるという事実を、そろそろ受け入れよう。

近頃、ジャレッド・スプールに教えてもらった、Netflixのパフォーマンスエンジニアたちは実はみなデザイナーであるという内容の記事に私は釘付けになった。これは挑発的な考えにも聞こえるが、実はとても辻褄が合う。彼が言うには、職名に”デザイン”を含む人々だけではなく、あなたの組織にいる(パフォーマンスエンジニアを含む)すべての人が製品のデザインに関わるというのだ。。

上記のような世の人々の彼への反応を見ると、何らかの儀式用犠牲にするために赤ちゃんでも誘拐したのか、とあなたは思うかもしれない。では、彼は実際にどんな事を書いたのだろうか?

このチームのメンバーはみなパフォーマンスエンジニアだ。彼らはとても複雑なシステムの構築、エンジニアリング、パフォーマンスの維持を担っている。これらの仕事は彼らの時間のほとんどを費やすものだ。システムエンジニアリングにおいて、これらの仕事よりテクニカルなものは、ほとんど存在しないと言って良いだろう。

けれども、Netflix視聴者のビデオストリームが停止し、プレイヤーがデータのロードを待っている状態を示す、くるくる回るアニメーションが現れるその瞬間、彼らエンジニアたちは劇的な変化を遂げてみせる。彼らはその瞬間からユーザーエクスペリエンスデザイナーになるのだ。

私は最後の文を太字にしておいた - とても重要な一文だからだ。エンジニア、営業担当者、CFOまでもがデザイナーになり得るという考えを、よく思わないデザイナーもいる。

よく見られる反応

あなたがその考えを好もうと好むまいと、または認めようが認めまいが、あなたのデザインチーム外の多くの人々が、あなたの顧客に大きなインパクトを与えるような、デザインにおける重要な選択を日々行っているのだ。彼らはあなたの製品のデザインを担っていて、紛れもないデザイナーなのだ。

私は挑発的な事を言っているのではなく、ただ事実を述べているだけだ。私は毎年、数十社のスタートアップ企業と共に働いている。そして、どこのスタートアップでも同じ事実を見てきている。CFOは価格の意思決定を下し、製品が提供するエクスペリエンスに変化をもたらす。エンジニアは、パフォーマンスにおけるトレードオフを作る。営業担当者は顧客と話すときのスクリプトを書き上げる。私の考えでは、根本的にカスタマーエクスペリエンスに変化を与え、影響する人々というのはみなデザイナーなのだ。

このことがもし自明の事実であるとしたら、なぜ私とジャレッドはここまで強調しなければいけないのだろうか?デザイナーたちに彼らの役割について考え直してもらい、優れたデザインのより良いスチュワード、言わば管理者になってもらいたいから、ここまで私はこの考えを強調し、プロモートし続けるのだ。

この見方、考え方のシフトがあなたの働き方にどんな変化をもたらすか、あなたにも少し考えてみてほしい。

誰もがデザイン思考を身に着ける必要がある

あなたがデザインに関わる選択や意思決定は、デザイナーグループの外、つまり職種名に”デザイン”という言葉が入らない人々によってなされるという事実を受け入れると、あなたの同僚への接し方というのも変わってくるだろう。そうなってくると、彼らはただの同僚ではなくなる。もはや彼らはあなたのデザインチームである。

AppleやAirbnbなどの素晴らしいデザインを生み出す企業は、このことに気付き、学んだのだ。AirbnbのデザインチームのVP、アレックス・シュライファーはWiredのインタビューで、いかにAirbnbがデザイン主導でないかを語った;

Airbnbでのソリューションは、実を言うとデザイナーたちを強調しない。デザイン主導のカルチャーを作らないことがポイントである。なぜなら、デザイン主導のカルチャー持つことは、デザイナーではない全ての人にあなたたちのインサイトは二の次だと言うことと同様だからである。デザイン主導のカルチャーは組織全体が特権を持った一つの見方、考え方だけに耳を傾けなければいけない、といった状況を作り出してしまう。そうではなく、シュライファーは、もっと多くの人に、通常はデザイナーたちの領域だけに存在するもの、というのに価値を見出いだしてほしいと言う。それは、ユーザーの見地だ。

全員がデザイナーの全てのスキルを持っていなければいけないのだろうか?もちろんそんなことはない。しかし、全員が自分のの選択がカスタマーエクスペリエンスにどう影響するかを理解するためのツールを身に着けている必要はある。

エンジニアがショートカットを取り、パフォーマンス面で倹約しようとする時、彼らはそれがユーザーエクスペリエンスにどんな悪影響を持つのかしっかり理解している必要がある。同様に、デザイナーがエンジニアにパフォーマンスに影響するような変化を加えるよう頼む際は、この頼まれたエンジニアは最適な全体的デザインの決定に導くために、そのデザイナーを助ける必要がある。ただ、そのままの流れでデザイナーに頼まれたことをするだけでは足りないのである。上記のような丁寧なコラボレーションこそが、素晴らしいデザインを生み出すのだ。

共感能力を奨励する最も良い方法の一つは、顧客調査の研究を様々な部門にいる同僚と共に見ることである。私の同僚であるマイケル・マルゴリスが、GV企業の研究セッションを開催する際などは、私はデザイナーたちだけでなく実際のチームで、インタビュー動画を観たり、ノートを取って研究することを主張するのだ。皆がリアルタイムで観れない場合は、そのセッション自体を録画し、後にその録画の”視聴会”を開催すると良いだろう。

デザインチーム外で働こう

あなたがデザインというのは組織の至る所で起こるという事実を受け入れたのなら、あなたはそれに関して責任を持つことが必要になってくる。アプリの動作が遅いとなれば、エンジニアのチームを訪れ話し合いをする必要がある。あなたのマーケティングチームが、将来の顧客を獲得するために適切な製品の広報をできていないとなれば、あなたは彼らと共に働き問題に対処することを提案すべきである。

そう、企業の皆と共にデザインに取り掛かるのはとても大変でなのである。しかし、あなたが本当に優秀なデザイナーになりたいのであれば、それをすることは必要不可欠だ。さもなければ、悪い選択をし続けてしまうことになる。例として、あなたの企業のCFOが、あなたの製品に複雑なプライシング体系を設定したケースを想像してほしい。あなたは自身のインターフェイス構築スキルと情報デザインスキルを活かすことで、プライシングのウェブページを可能な限り明瞭に、理解し易く作る事はできるだろう。しかし、それよりさらに難しく、より重要なデザインの仕事というのは、プライシング体系をカスタマーに明瞭で、尚且つ企業のビジネスゴールに沿ったものにするために、あながCFOと共に製品のリプライシングに取り組むことだ。

コアビジネスに集中することで、真のプロダクトデザインとインターフェイスデザインやユーザーエクスペリエンスデザインを区別することができる。根本のプロダクトデザインは、とても骨が折れる仕事で、多くの聞き込み調査を必要とするが、それが最上級のレベルのデザイナーの仕事である。そして、彼らの仕事があなたの仕事より良い理由である。

“The Disciplines of UX Design” by Dan Saffer and Thomas Gläser

デザイナー以外の人を含むまでにデザインチームを成長させよう

デザインは骨が折れる仕事だ。デザインを真の意味でマスターするには、広い領域にわたるスキルや、長年に渡る実践訓練が必要である。(上記ダン・セイファーのdiagram of UX Disciplinesにある円の数を見てみてほしい)

おそらくこれが、デザイナーでない人がデザインの仕事をする、また私やジャレッドが彼らを”デザイナー”と呼ぶことに気分を害するデザイナーが多い理由であろう。気分を害されたように振る舞うのは自由だが、デザインにおける意思決定は、例えあなたが居ても居なくてもされるのが事実である。デザイナーではないデザインをする人々は大切にししなければならない。彼らはあなたの仕事の価値を下げるわけでもないし、あなたの職種の重要度を下げるわけでもないのだ。

デザインをする人をより多く抱えることは付加的であり、競争を激化させるわけではない。彼らデザイナー以外のデザインを担う人々はあなたのチームと製品をより強力にする。なぜなら、彼らはユニークな見方、考え方を持ってしてデザインに貢献してくれるからである。彼らがスキルを強化し、専門知識を活用できるように援助をして、あなたの製品と企業のアドバンテージにしよう。


より良い未来を共につくっていこう

数年前、Fortune500の企業の一つの役員と会う機会があった。私が彼女に、私はデザイナーだと言うと、彼女は目を輝かせた。”あら、私はデザインが大好きなの!”と彼女は言った。”私のチームはデザインチームのすぐ近くで働いているのよ。彼らデザインチームはそこで沢山のクリエイティブな仕事をしているわ”

私はがっかりした。デザインチームは彼女のチームのすぐ近くにいたのに、彼らは一緒に働きはしなかった。その代わりにデザインチームは防音ガラスの部屋の中で、特別な”クリエイティブな仕事”に孤立して取り組んでいたのである。

役員である彼女は毎日のように彼女のカスタマーに影響する意思決定を積み重ねてきた。”すぐそこ”にいたデザインチームに話しかけなかった彼女にも、ある程度落ち度はあったが、デザインチームに主に非がある。なぜなら、彼らは彼女のチームに話しかけて、ビジネスにおける最も重要な挑戦に共に取り組む機会というのをみすみす逃してしまったからである。

原文 : https://library.gv.com/everyone-is-a-designer-get-over-it-501cc9a2f434?source=rss----dfc85068874c---4
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