フレッド・ウィルソン

Union Square Ventures 共同創業者兼パートナー

「できること」ではなく「する必要があること」に取り組もう

過去数ヶ月にわたって、「できること」と「する必要があること」の違いと、企業がいかにしてこの2つをしばしば混乱しているかについて思い起こしてきました。

潤沢な資金がテック業界に流れるなか、当社のポートフォリオ企業はしばしば、できることやする必要があることをこなすためのリソースを持て余しています。しかし、多くの「できる」プロジェクトは実施するものの、「する必要がある」プロジェクトは実施せずにいます。結果として、以下のようにあまり良くない出来事が数多く発生します。(以下に限られたものではありません。)

  • 核心となるリソース(インフラストラクチャ、セキュリティ、決済、デザイン、プロダクトマネジメントなど)が無駄な仕事に使われてしまう

  • 同時平行で多くのプロジェクトが実施されているため、チームはミッションと戦略を見失ってしまう

  • 幹部は多くの方面を対処しなければならないため、バラバラになってしまう

  • プロジェクトが完全に流れてしまい、倦怠感や士気の低下につながる

  • 仕事をこなすために従業員の人数が急激に増え、マネジメントの問題が発生する

最近、「短期的に集中する項目」のある「計画」の書かれたプレゼンを見ました。そのプレゼンをした人に対して、計画には3つより多くの項目を含まないほうが良いと伝えました。私は3つのルールの大ファンです。どこで聞いたのかは覚えていませんが、3つのルールとは、組織の大きさに関わらず、同時に3つより多くのものに取り組むべきではないというものでした。

しかし、あなたが今年注力して取り組んだことが2つか3つか4つあるかに関わらず、それらの項目を「する必要があること」対「できること」のテストにかけてみると良いでしょう。ただできるからといって、それがするべきことであるとは限りません。

戦略とノーと言うことの重要性について書いたことがあります。戦略とは、ノーと言うことではありません。戦略とは、企業にとって最も重要なことを見抜いて集中し、その他の全てのものに対してノーと言うことです。

最も重要なものを見抜くためには、プロダクト、顧客、マーケットでのポジション、状況の変化、そして3年から5年先にどのようになっていたいのかを理解する必要があります。これらのことがはっきりすれば、そこにたどり着くために取り組むべき最も重要なことを見抜くことができます。

「最も重要なこと」は変わることもあります。私のパートナーのアルバートは、スタートアップをすることはテレビゲームをすることのようだと述べました。各レベルにおいて1つのことをマスターする必要があり、レベルアップしたら新たなことをマスターする必要があるのです。

この喩えは企業を構築するプロセスを矮小化してしまうものの、私は気に入っています。これは、どのように物事の優先度を決めるかについての、最もわかりやすい考え方です。

企業の開発(エンジニアリングの意味だけでなく)のペースに不満を抱くようであれば、同時にどれだけ多くのことに取り組んでいるのかについて考えることをオススメします。もし多いのであれば、それらの物事を「できること」対「する必要があること」のテストにかけ、「する必要があること」以外のものは全てやめましょう。そうすると、必要のない人材を切り離すことになるかもしれません。これは辛いことですが、しばしば助けになるものです。

「する必要があること」をうまく実行することは、うまく経営されている企業の特徴となります。そして通常、「できること」はロードマップ上に多く存在しないはずです。

原文 : http://avc.com/2017/05/can-do-vs-must-do/
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