ダスティン・モスコヴィッツ

Facebook, Asana 共同創業者

よく働いて、よく生きよう

持続可能ではない期待で従業員を消耗している企業はAmazonだけではありません。

更新:自身のチーム内でより良いワークライフバランスを実現したいですか?Asanaブログの「Less is more(余計なものはない方が良い):ワークライフバランスを通してチームをより良い結果に導く」をチェックしましょう。

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先週、バークレーのSPARCで野心ある高校生たちのグループに向けて話をしました。その中の数人は、私が人生の早い段階でしておけば良かったことや学んでおけば良かったこと、また私のキャリアの早い段階における後悔などについて尋ねてきました。何度も何度も、人生を違う形で過ごせていれば良かったという考えが私の頭をよぎりました。

2006年はFacebookにとって最高の年の1つとなり、人間としての私にとって最悪な年の1つとなりました。

もっと長く寝て、もっと定期的に運動をしておけば良かったと思っています。食事や飲み物についてより良い選択をしておけば良かったと思っています。当時は水よりも炭酸飲料やエナジードリンクを多く飲んでいたのです。一度取り組んだことのある、私を信じられないほど急速に成長させてくれた、その他の経験にもっと時間を割いていれば良かったと思っています。

このように思うかもしれません。でも、これらのことを優先していたら、あなたの貢献はより少なくなっていたのでは?Facebookはこれほどまでに成功していなかったのでは?

実際のところ、私はもっと効果的になっていただろうと思います。つまり、私はより良いリーダーとなり、従業員はより集中できただろうということです。パニック発作や急性の健康問題を起こすこともより少なくて済んだでしょう。例えば、20代の前半で私は定期的にぎっくり腰になっていたのです。総合的に見て、より中心的かつ内省的になれていたので、同僚との些細な喧嘩をあまりせずに済んだでしょう。物事がうまく行かないときや地元の危機の対応に時間を奪われたときにも、あまりイラだったり怒ったりせずに済んだでしょう。要するに、私はより多くのエネルギーをより賢い方法で使えていたでしょうし・・・もっと幸せだったと思います。それが、私がこのことを本当に後悔している理由です。私は2つの価値ある結果の一方を選んだように感じません。両方に対して愚かな犠牲を強いてしまったのです。

今週(注釈:記事執筆時は2015年8月)、テック業界はAmazonの猛烈な仕事文化に関するNew York Timesの最近の記事について、熱心に議論を行っています。多くの人が、その記事は情熱と猛烈さの周りに築かれた文化を風刺的に描くために、劇的な逸話を利用している偏った記事だと捉えた一方で、その会社を表立って擁護するために立ち上がった内部者もいます。しかし、私が言える範囲では、Amazonでは仕事文化が猛烈であり、社員が本当に一生懸命働いているということに異論を唱える人はほとんどいないです。根本的に、これはテックカルチャーにおける馴染み深い部分なのです。つまり、高い成果を出す企業では、従業員は極端に一生懸命働いており、それはたいていの人にとって持続可能でない極地に至っているのです。

しかし、このようである必要性はないのです。

週末と40時間の勤務時間のことを、資本主義と快楽主義の間におけるある種の大きな妥協であると多くの人が信じていますが、それは歴史的に見て正しくありません。それは実際には、20世紀の初頭にヘンリー・フォードによって実施された利潤最大化に関する実験の、入念に検討された結果なのです。彼は、人々をより少ない時間、より少ない日数で働かせることにより、より多くの成果を実際に生み出すことができるということを発見しました。それ以来、他の研究者も、ゲーム開発など現代の産業を含めて、この現象についての研究を続けています

その研究は明確です。1週間あたり40〜50時間を越えると、追加の仕事から得られる限界収益は急激に減少し、急速にマイナスとなります。私たちはまた、「勝負時」の数週間においてはより多くの成果を得られるものの、人々は必然的に回復する必要性があるため、最終的にその埋め合わせをしなければならないことを実証しました。勝負時をそれより長く保とうとするならば、速度が増しているように感じる錯覚を起こすことになるだけです。これは複数のレベルでの抽象化においても真実です。つまり、1週間での働く時間、あるセッションでの休憩時間と対比した集中力の続く時間、そして1年で取得する休暇の長さなどのレベルにおいても真実なのです。

休息は重要なのです。

Lost Garden「生産性の法則」より。私たちが勝負時に得たと考える生産量と実際に得られた生産量の間には大きな差分が生じています。

そのため、私はテック業界における現在の猛烈な文化を目撃すると悲しくなります。私の考え抜いた結論は、これらの企業は従業員の私的な生活を破壊しているだけでなく、その対価として何も得られていないというものです。最近、Asanaと別の成長企業との間で迷っていたある採用候補者は、そのもう一方の企業は社員に遅くまで残ってもらうために午後8:30にディナーを始めると述べました(彼は数週間以内にここで働き始めます)。また、別の開発者が頻繁に「48時間」のコードスプリントについて自慢しているのも耳にしました。このような態度は、期待されている点まで「ステップアップ」する意欲のある若い働き手を傷つけるだけでなく、そのようなスケジュールを維持することができない人々を間接的に差別することで、年齢差別や性差別を引き起こします

なぜ企業はこのようなことをするのでしょうか?それは間違いなく以下の組み合わせです。1)研究を知らない、2)その研究は何かしら間違っているか、自分たちには適用しないと考えている(その考えは間違っています)、3)人々がこのような文化的な遺物を、チームの猛烈さと情熱に対するシグナルであると捉えると理解している。私はこれら3つの要因すべての組み合わせであると信じていますし、特に3つ目のものに強く共感しています。Asanaでは人々が一生懸命に働きすぎない文化を築くのに努力してきましたが、私たちが十分に早く動いていないのではないか、もしくは十分な緊急性を持っていないのではないかと心配する採用候補者も時にはいます。これらの価値観が実際に対立すると考えるとしたらどうすれば良いのかわかりませんが、幸運にもそうなるこはないのです。私たちは厳しい利益の追求をしながらも、健全なワークライフバランスを推奨しています。速さと幸せさを同時に最大化しているのです。

業界として、私たちはポテンシャルを減少させつつあります。私たちはより多くのことを成し遂げることができ、テクノロジー業界で働くすべての人々のためにより良い生活を提供することができるのです。もしあなたが人生の最も素晴らしい時期を仕事に捧げるならば、意図的にそのようにしましょう。素晴らしいことをすることもでき、人生をよく生きることもできるのです。あなたはどちらも手に入れることができ、科学はそうするべきだと伝えています。

注釈:私はテック業界の視点を持っているので、その業界の視点からこれを書きましたが、このパターンは明らかに他の業界や企業の中にも顕著に見られます。

原文 : https://medium.com/@moskov/work-hard-live-well-ead679cb506d
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