ブライス・ロバーツ

O'Reilly Alpha Tech Ventures 共同創業者

ユニコーンがシード投資を食い尽くす

最近我々OATVは10周年記念を迎えた。10年前はシード期のスタートアップに投資をすることは新しい考えであった。当時見込みのある投資家に我々のスタートアップに初期投資をしてもらうようピッチをしたが、ビジネスをスタートさせるまでに約2年もかかった。

初期の機関投資家によるシードファンドは5つで、我々もその一つであった。(実のところ当時シードファンドというような決まった名前はなかったが、我々はずっと"シード"という言葉を好んで使い続けている)

今日500を超えるシードファンドが市場にあり、投資ビークルも新しく増えている。(訳注:投資ビークルー金融市場から低金利の資金を調達し、不動産などを担保にした長期証券である高利回りの証券に投資を専門に行う投資会社)

それは何百もある我々のような2つ目、3つ目のファンドを作ったところは含めていない。時代の流れに逆らい、厳しい状況を乗り越え、時間の経過とともにそのファンドの規模を増やしてきたシードファンドのみを表している。

シードファンディングが始まった当初、それは新しい運用の形となっただけではなく、新しいビジネスモデルとなった。資本金がなかったために、小規模ファンドしか作ることができなかったのではない。小規模ファンドこそが我々が当時やろうとしていた起業家と我々自身に大きな利益をもたらしてくれるオプション取引に当てはまったのである。

小規模ファンドによる短期間の投資ラウンドが現れたことにより、それまでになかった新しい起業の形がうまれた。少額の資本金でビジネスを始めることが可能になり、起業家にとってより利益を得られる形で自分のビジネスを行うことができるようになった。早い段階で自分の会社を売り、小規模ファンドにも十分なリターンを返しながら、人生を変えるような収入を得ることがあるかもしれない。あるいはVCからの投資を受けシリーズA、B、Cと進んでいきユニコーンのような成功を収めることができるかもしれないのだ。

シード投資家でユニコーンに興味を持たない者はいない。我々のビジネスモデルも十億の価値のあるビジネスに頼るようなリターンモデルもそうだ。

この10年間でシード投資はそのビジネスモデルの形を変えてきた。元来のオプション取引のビジネスモデルは古いものとなり、現在はアービトラージを採用している。シリーズAの投資やユニコーンが多くでてきたことは、シード段階のオプション取引で戦っていくことが難しいことを意味している。

シード投資の新しい風を吹き込んだのは我々であるが、今となっては別のやり方で利益を得ている。

募金である。

多くの資本の話や、新しい会社、さまざまな背景を持った会社のマネージャーからビジネスの話をいただいたが、私が次々にやってくるシードのマネージャーに伝えたいことは「10億ドルの価値のあるビジネスを作る際に重要なことは、従来の考え方やパターンにとらわれない新しい考えをもつこと」である。今ある成功した会社のビジネスモデルに依存してしまうことは、目立たなくなるだけでなく、達成しうる成果を大幅に制限してしまうことに繋がる。

常に銀行口座に十分なお金を用意しておき、新しいことに目を向けていると、小規模な世界でただ単にVCの”ルール”に従うよりもっと多くのことができることに気付くことができるだろう。

”Change the game, before it changes you.”

仕組みが変わりそれに振り回される前に自分が仕組みを変えてしまえばいいのだ。

作者プロフィール

私はパートナーであるティム・オー・レイリーとマーク・ジェイコブソンとO'Reilly AlphaTech Ventures(OATV)を共同創設した。私は多くのVCが投資しないようなものに投資をしている。私は青いシャツは着ないし、カーキ色のズボンも履かない。都市で働いているが、山の中で生活をしている。車よりも自転車の方を多く持っているし、それよりも多くのスキー板を持っている。妻と5人の子供がいて私の生活は彼らが中心となっている。

原文 : http://bryce.vc/post/151995919905
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