アリー・ロウガニー

スタートアップCEOのフェーズ2の仕事とは? Part1

上手くいっているスタートアップは3つのフェーズを経験することになる。それぞれのフェーズでスタートアップのCEOの仕事は驚くほど違ったものとなる。フェーズ1でのCEOの仕事はユーザーが好む商品、サービスをつくること、フェーズ2ではその商品、サービスの提供機会を最大限にするために会社をつくり、そしてフェーズ3では核となるビジネスで得た利益を新しい商品アイデアに投資しなければならない。このブログの記事ではCEOのみが成し遂げることができる、レバレッジを利かせることで優れたフェーズ2のCEOになる方法が紹介されている。YCによると、フェーズ1からフェーズ2への変換に成功したCEOもたくさんいるが、上手くいかなかった者も多いという。あなたのスタートアップの未来はこのフェーズの変換にかかっている。

あなたが最初につくるものは商品、2番目が会社づくり

CEOの最初の仕事は素晴らしい商品をつくり、それを好きで熱中して使ってくれるであろう数人のグループを見つけることである。[1]フェーズ1のスタートアップのCEOは行動力のあるリーダーでなければならない。商品づくり( ユーザー調査とその後の直接的な関わり、コードを書くこと、商品スペックのデザイン)とユーザー、顧客の獲得両方に密に関わっていかなければならない。"委任"という言葉を使う機会は一切ないと考えてもらっていいだろう。もし成功したなら、それはあなたが密に関わってきたことを意味していて、他の大多数の人が持っていないようなユニークなビジョンが会社に明るい兆しをもたらしたからである。

フェーズ1で必要なことは、商品の需要を広げていくことであり、もしあなたの少人数チームで手に負えないくらい需要が大きくなったならばそれは成功を意味している。そうなった時にはCEOとしての焦点を会社をつくることにシフトさせなければならない。フェーズ1で手に負えなくなった需要の拡大に対応できるように、そしてさらに需要を拡大できるように会社をつくらなければならない。これがフェーズ2のスタートアップのCEOにとって主な仕事となる。会社はあなたにとって2つめの創造物となり、ずっと残る遺産となるだろう。

フェーズ2のCEOとしてあなたは"行動力のあるリーダー"から"会社をつくりあげていくリーダー"へと移っていく。これはあなたがCEOとしてどのようにして登りつめていくか、であり会社づくりのために必要な第1ステップである。しかし、フェーズ1で"行動力のあるリーダー"になるとそれを止めることが難しくなる。コードを書くこと、商品スペックをデザインすること、日常的に顧客と関わっていくことを止めることは難しい。サポート・チケット・システムで顧客の問題に対して応えること、すべての商品のデモンストレーションをすること、デバッグを行うことも止めて会社づくりに努めなければならず、それは簡単なことではない。あなたが何年もやってきた技術を要しない雑用のような仕事は自分がやるべき仕事だ、と感じそれを他人に任せることはもっと抵抗があるかもしれない。だが、あなたはこういった全ての仕事を止め、CEOだけができる仕事のためのに時間を確保しなければならない。

"行動力のあるリーダー"から移ることはあなたのチームに戸惑いや衝突をもたらす可能性もある。それはあなたがコードを書くことをやめて何をしているのか、と疑問に思ったり、あなたが何年もやってきた簡単な仕事をなぜ急に人に任せるのだ、と疑問に感じる人が出てくるからである。しかし、一度あなたのスタートアップが20〜30人規模にまで成長すると、あなたは人に指示を与えるなどして会社を引っ張っていくことにフォーカスしなければならない。時間には限りがある。だからこそ、CEOとして会社を引っ張っていくためにはそれ以外の仕事を減らさなければならない。委任しなければ会社づくりに努める時間は確保できないだろう。リードできないことはチームのスピードを遅くすることにもつながる。

1、2年のあらゆる努力の後にようやくあなたがフェーズ1で行っていた日々の業務や商品に関することなどすべてを委任できるようになる。あなたはリーダーのポジションから人を雇うポジションへと移動しなければならない。Weeblyの共同創業者かつCEOでもあるデイビッド・ルセンコー( David Rusenko)は言っている。「あらゆる自社商品の特徴を自社のブログを読んでいて初めて知る、ということがしばしばある。多くの創業者はこれを聞いてショックを受けるかもしれないが、でも私は自分のビジネスは上手くいっていると思っている。まだ不十分だと思うような特徴を見たことがないからだ。商品詳細に携わらなくていいことは素晴らしいことである。そのためにもあなたはいいチームを作ることを熱望しなければならない。」

実際のところ、フェーズ2は約20〜25人のチームで始まり400〜500人規模にまで達する。フェーズ2の最終段階では、あなたがフェーズ1で行っていた全ての仕事を自信を持って任すことができるリーダー的素質を持ったチームの存在があることに気がつくだろう。彼らは設定した会社の方向性に基づき、あなたのサポートが最小限の状態でも質の高い仕事ができる経験を持ったリーダーでなくてはならない。彼らの存在があって初めてあなたは会社づくりの仕事をそのリーダーチームに任せ、フェーズ3の、核となるビジネスから得た利益を新しい商品、サービスに投資する仕事に移ることができる。

CEOが委任することできない3つの仕事

簡単に書くとあなたのフェーズ2での仕事は、CEOにしかできない3つの重要な業務に焦点を置くためにフェーズ1で行っていた全ての仕事を委任することである。以下がその重要な3つの仕事である。

1.リーダーとなるチームを雇い、彼らが既存の従業員とうまくやっているかを確認する

CEOだけが会社のシニアリーダーシップとなるチームを雇うことができ、彼らが一緒にやっていけるかどうかを確認することができる。通常、人を雇う時には従業員から意見やフィードバックを得ることができるが、それがエンジニアの副社長、営業担当の副社長、CFOなどのリーダーとなる人を雇うとなると最終的な決断はあなたがしなければならない。周りにいる人で気が合う人を採用する、といったような妥協は許されない。採用することによる影響は全てあなたに戻ってくるのだから、選択権もあなたが持っていなければならない。

上級管理職の役員を雇うプロセスは並ならない時間を要する。もしあなたにとってそれが初めてならより多くの人に会うといいだろう。そうすることで、技術や経験、そしてあなたが必要としている性格を持ち合わせているかどうかといったよりよい判断ができるようになるからである。Stripeの共同創業者兼CEOのパトリック・コリソン( Patrick Collison) はそれぞれの分野で"世界で最も優れた人物" に当てはまる基準となるものを作り、それによって優れた候補者はどのようなものかという感覚を持つことができるようになった。管理職に就く人を雇うことは多くの時間を要することから、多くの従業員を一気に雇うよりも優先して行うといいだろう。私たちは上級管理職に強い、いい人材会社を利用することを勧めている。かなりの費用がかかるが、もし会社にとって正しい人を選ぶことができるのであればいくら払ってでも価値のあることである。

YCはフェーズ1の創業者に素早い反復作業と会社の発展を確実にするために週ごとの出来事を管理するように伝えている。それは小さい会社にとって市場に合った商品特徴をつくるために有効であるが、上級管理職の人を管理する方法には適していない。上級管理職の人たちの管理は、週ごとの業務を任せるよりも、長期的な目標であったりアウトプットを共有する方法がいいだろう。それができて初めて会社にとって四半期、1年の計画、そして管理職の人々への計画を設定することができる。

管理職の人達を会社の風土に適応させることもあなたの仕事である。上級管理職のチームを作る際には個々の新しい役員と時間を費やすのではなく、チーム全体と関わるようにするといいだろう。彼らに会社の風土に合わせるように今すぐ方法や意識を変えるように押し付けるのではなく、役員会を通じて彼らが自ら関係を作ることができるように働きかけるのである。

上級管理職のチームを評価する基準は、彼らがいいチームを作れているかどうか、彼らの部下が不満なく生産性のある仕事を出来ているかどうか、いかに他のチームと、他の管理職の人たちと上手くやっているかどうかである。リーダーとなるチームを採用する際にはその25%は失敗に終わることがあるから頭に入れておくとよい。

ほとんどのスタートアップのCEOは初めての管理職採用に苦戦しており、莫大な時間をかけている。だが、素早い判断をし、自分の会社に合っていないと感じたらすぐに退いてもらう対処をするとよい。いい成績を残していない管理職の人を会社に残すことは他のチームの人たちからの信頼性を失うことにつながる。

リーダーとなるチームメンバーの採用が終わり、彼らが会社に馴染むことができるように働きかけ、そしてあなたがあまり関わることなく彼らが高い水準で仕事できるようになれば仕事は終わりである。50%の時間を採用と上級管理職チームの管理に費やしてしまっても驚くことはない。それは価値ある時間なのだから。

原文 : https://medium.com/ycombinator/whats-the-second-job-of-a-startup-ceo-886dc81c1c5b?source=rss-97dbd50ecd69------2
Heap | Mobile and Web Analytics