アーロン・ハリス

Y Combinator パートナー

競合は愚かだと仮定せず、賢明だと仮定すべき

2015年8月10日

私は創業者に共通して見られる偏見に気づきました。それは、彼らは競合のことを愚かで創造的でないものだと思い込んでいることです。競合他社を見ては非効率性や悪いシステムを特定し、こうした状況にあるのはその創業者や従業員が愚かな意思決定を行っているからだと決めつけるのです。

このような考えを持つのは良くないです。事実、その市場にいる競合はたいてい、賢くロジカルな意思決定を行う優秀な人々によって経営されているものです。彼らの意思決定のすべてが正しいということはありませんが、彼らが全くもって愚かであるということは滅多にありません。

企業が外部から見て賢明に思えないことをしているときは、愚かであるという仮定するよりもむしろ賢明であるという仮定をし、こうした企業がなぜそのようなことを行っているのか疑問に持つほうがはるかに良いです。こうした疑問を持たないと、あなたは自らの合理化に基づいた、同じ意思決定をしてしまうかもしれません。このようなことはよくあるものです。

事実、私たちはTutorspreeを始めたときにこの間違いを犯しました。私たちは地域の代理店が顧客を獲得する方法やレッスンのパッケージに請求する方法を観察しました。彼らは強欲であり、より良いシステムを見つけることができるほど十分に賢明ではないため、事前にあまりにも多くの金額を請求しているのだと私たちは仮定しました。判明したことは、高額な初期投資のコストと、指導者・生徒間の長期的な関係性の力学から、論理的に導き出されたのがそのレッスンのパッケージだったということです。十分に多くの顧客が、価格設定と、事前に複数のレッスンを予約できるという理にかなったそのモデルによって生じたコミットメントを評価していました。私たちの偏見が原因で、これに気づくのには時間がかかってしまいました。

もし代わりに、賢明であることを仮定して、あるビジネスが行っていることの理由を分析するならば、直面するであろう課題を事前に把握することができ、その結果、ただ新しく見えるだけではない実際により優れたソリューションを設計することができるでしょう。これは、他の人たちが行っていることを却下したり、自分がより優れていると仮定することができなくなることを意味するため、このように考えるのははるかに難しくなります。実際により優れるための方法を理解していると証明しなければなりません。これは非常に恐ろしいことです。なぜなら、時間をかけても、より優れるための方法を見つけることができない可能性があるからです。あなたが思いつくことはすべて、競合がやっていることと同じになるかもしれません。

しかし、それはあなたの会社で働くことをやめる理由にはなりません。実際のところ、それは進み続け、情報を取得し新たなアイデアを生み出し続けるための理由になるのだと私は思います。これは会社を始めることのとても面白い部分なのです。進むに連れて新たなルールを作り出し、進むに連れて古いルールを打ち捨てるのです。同じ課題を見つめる2人の創業者であれば、簡単に複数のソリューションを思いつくことができます。それぞれのソリューションは非常に似通っているように見えるかもしれませんが、小さな変化が積み重なるのです。重要なことは、他の優秀な人たちが似たことを行って失敗したことをあなたが理解しているならば、あなたはより真剣にすべての意思決定について考えなければならず、あなた自身の仮定に胡座をかくことは決してできないということです。

もちろん、賢明であることを仮定したからといって、すべての意思決定が賢明となるというわけではありません。人間も組織もあらゆる種類の理由のために悪い意思決定を行います。重要なことは、意思決定が悪かったということを理解しても学ぶことは少ないですが、悪い意思決定を起こさせてしまったインプットと組織について理解することに学びはあるということです。

このフレームワークを使ったとしても、あなたが正しいことを行っているという保証はありません。たとえどれだけ、あなたに機会を残すこととなった人たちの意思決定を入念に分析したとしてもです。つまるところ、競合を見つめることで学べることは非常に多くあるのです。本当に優れたビジネスは、既存の企業の対極として作られたわけではありません。それらの企業が優れたものになったのは、満たされていない深いニーズを満たしたからなのです。これには通常、市場分析ではおそらく導き出せない、ある種の創造的・認知的飛躍が求められます。

原文 : http://www.aaronkharris.com/presumption-of-stupitidy
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